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サムライ吉田安孝がサンフレッチェ広島を斬る!

2006年 3月 20日 第3節 浦和戦

 前半26分、ジニーニョの退場のシーンまでは広島が完全に試合を支配していた。高い位置でボールを奪い取り、素早く攻め立てるというサンフレが目指す理想的なサッカーが展開されていたと思う。開幕からの3試合で1番の出来だったのではないだろうか。そういう意味でも、あのシーンが本当に悔やまれる。スタンドからははっきりと見えなかったが、後でVTRで再確認すると確かにワシントンは、ジニーニョが出した足に引っ掛かってファウルを受けているようにも見える。しかし、“1発レッド”の判定には納得がいかない。あの瞬間、ワシントンがドリブルしていたのはゴールに対してに一直線ではなく、斜め方向だったからだ。結局、サンフレはこの判定に泣かされた訳だが、キックオフから26分間に見せたサッカーは浮上のきっかけになったのは言うまでもない。すべては中盤の改善にある。

 開幕戦で露呈したのが、中盤でのファーストディフェンスの甘さ。これを2試合目の大分戦で改善し、相手の決定機をほぼ完璧に封じることができた。しかし、その反面、この試合では攻撃時のMFの攻め上がりに課題が残った。ボールを奪った瞬間、MFが素早く動き出し、FWのサポートに入ったり追い越す動きが物足りなかったのだ。そして3戦目の前節・浦和戦、前述したとおり、退場者が出るまでの26分間はMFの積極的な攻め上がりが見られた。中盤でベットがボールを奪い取り、最前線に攻め上がっていたボランチ戸田へパス。それを胸で落とし、その後方から押し上げていたカズがシュート! このように、中盤の3人でシュートまでもっていくプレーが随所に見られるようになったのだ。1試合1試合、少しずつではあるが、チームは目指す方向に進んでいると言える。

 3試合で「勝ち点1」。これを、「まだ3試合」と捉えるのか? それとも「もう3試合」なのか? おそらく両者ともが正論だろう。そんな中、いろんな意味で次節の京都戦が重要になってくる。今シーズンのターニングポイントと言ってもいいだろう。勝つか負けるかで、今後、チームがどうなっていくかが見えてくる。
 昨年もリーグ初勝利は5戦目で、スタート時に苦しみに苦しみ抜いた。開幕から3分1敗で迎えた5戦目の東京V戦、負ければチームの士気が急降下するのが目に見えた試合を、チーム一丸となって勝利をもぎ取ったのだ。その後、チームは上昇気流に乗った。その要因は、勝利から見放され苦しい時も、自分達の目指すサッカーを信じ、やり通したということだ。今、まったくそれと同じ状況だと思う。浦和戦で大敗した中にも、1つの光を感じることが出来た。中2日での次節・京都戦を、昨年の東京V戦のように、チーム浮上のきっかけにしたい。そのためには、チーム、サポーター、メディア、すべての人が、これまでチャレンジしてきたことを信じ、やり通すことではないだろうか。