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サムライ吉田安孝がサンフレッチェ広島を斬る!

2006年 4月 10日 第7節 川崎戦

 「今現在のサンフレが勝利するための絶対必要条件は、先制点を奪うこと意外にない」。これが、チーム専属ライターと私の一致した意見だった。しかし、その構想は無残にも打ち砕かれることになる。試合開始早々の前半3分、「プロとしてやってはいけない失点」(佐藤寿)で、試合の主導権を相手に握られてしまい、その後、13分、20分と立て続けに失点。対するサンフレも31分、森崎浩司のゴールで反撃を開始し、後半は押し気味に試合展開していった。しかし今のチームに、同点あるいは逆転するだけの勢いがあるはずもない。結局、そのまま1対3で敗れ、皮肉にも、私たちの予想は悪い結果として当たることとなってしまった。

 今現在の勝てないチーム状況を、私なりに分析すると、1つのことが浮かんでくる。それは、選手個々の特性(ストロングポイント)が試合に生かされていない、ということだ。今、最も必要なのは、選手1人ひとりの特性を試合で発揮させる状況をつくり、チームとして1つにまとまることだと思う。では、そのためにはどうすれば良いのだろうか?
 
 中盤の4選手が横一線に並び、サンフレのストロングポイントである両サイドで起点をつくりながら分厚い攻撃を仕掛けていくサッカー。また、流動的な動きから、2列目の選手の飛び出しで多彩な攻撃を仕掛けていくハイレベルなサッカー。これが、サンフレが目指しているサッカーであるが、今シーズンは、未完成のまま開幕を迎えることとなってしまった。そして、結果が出ないまま試合を重ねることで、選手個々が疑心暗鬼になっているのが今現在の実情だろう。そういう状況が、より一層、選手個々の特性を抑えつけている原因になっているように思える。
 
 例えば、ここ最近、好調を維持している森崎浩司。彼のストロングポイントは、間違いなく決定力の高さだ。相手にとって1番怖がられる浩司のプレーとは、ゴール前でのシュート、パス、ドリブルだろう。しかし、川崎戦での彼のプレーエリアの大半は右サイドであった。このように、今のサンフレは、選手個々の特性が試合に生かされていないように思えてならないのだ。見ていて非常にストレスが溜まる。おそらく、ピッチでプレーする選手自身が誰よりもそう感じているのではないだろうか。このストレスを取り除いてやり、選手個々の特性を発揮させることが、今、最も必要なことだろう。その手だてとしては、システム変更もありうるし、選手の組み合わせを変えてみること(メンバー変更)もありうる。いずれにせよ、サンフレの選手たちがピッチで自分の得意なプレーをイキイキと表現する姿を見てみたいものだ。