ちょっと前まで、暑くて寝苦しい日々を送っていたと思っていたのですが、いつの間にやら朝晩がめっきり涼しくなり、「秋」を実感しております。そこで、「読書の秋」ということで、これまで僕が好んで読んできたものとはチョッと違ったジャンルの本に挑戦してみました。日本を代表する文豪・夏目漱石の『こころ』、『坊ちゃん』の2作品です。小学校の頃、これら夏目漱石の作品は、国語の教科書で扱われていたのを覚えてはいるのですが、それは、もちろん物語の1部分だけが教科書に載っていただけのこと。恥ずかしながら、僕はこの歳になるまで、これらの名作を読みきったことがありません。もちろん、ストーリーの詳細も知るはずもありません。名作と言われる作品は、昔から今現在に至るまで、多くの人にず〜っと愛され続けている理由が、読み終えて何となくわかったような気がします。作品の内容はもちろんですが、文章にリズム感がある、とでも言ったらいいのでしょうか…? 例えば、『坊ちゃん』の冒頭、「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしている」。これって、知らず知らず頭の中にインプットされそうですよね。この文章のリズム感については、齋藤孝氏の『声に出して読みたい日本語』でも有名です。
ところで、今回、僕が読んだ夏目漱石の2作品ですが、両極端な内容でした。『こころ』は、三角関係の恋愛小説なのですが、その中で、死について、死者との関係について、深く考えさせられる作品でした。一方、『坊ちゃん』は、冒頭の文面どおり、無鉄砲でやたら喧嘩早く、卑怯なことが大っ嫌いな坊ちゃんが繰り広げる痛快な物語です。この2作品、僕としては、『坊ちゃん』のほうが好きだなぁ〜。うんうん、と、うなずきながら読みました。
しかし、『こころ』は、というと…。読めば読むほど、「何故?どうして?何で自分の気持ちをはっきり伝えんのんや!」という気持ちになり、奥歯にモノが挟まった感じになりました。やはり、単細胞の僕には、文学作品は理解できないのかもしれません(涙)。こうなりゃ、僕の今秋の目標は、「目指せ!文学青年!!」に決定です!
次は「森鴎外」でもいっときますかぁ!?