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2007年5月15日 国民投票法 成立


憲法改正手続きを定める国民投票法案が14日、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立しました。
今朝の新聞社説(産経新聞は『主張』)の論調は、各紙さまざま。社説の読み比べを毎日の日課にしている僕にとっては、最高のネタです。皆さんは、どの新聞の論調に賛同されますか?


◆産経 「新憲法制定が政治課題だ」
国民投票法成立を素直に歓迎した上で、今後、憲法改正に向けた国民投票の実施に備えて詰めておくべき課題について書かれています。自公民3党の間で意見の分かれている政治的行為を制限する国家公務員法や、地方公務員法の規定の適用については、基本的に賛同しています。また、国民投票の導入にあたり「18歳成人」をどう考えるかという身近なテーマなど、国民投票実施に向けた環境整備にしっかり取り組んで欲しい、という論調です。


◆朝日 「さあ改憲」とはいかぬ
参院選への思惑といった安倍首相の損得勘定が絡み、冷静な議論ができないまま終わってしまい、きわめて遺憾である、と国民投票法成立に反対しています。また、最低投票率の問題をはじめ、公務員や教員の運動に対する規制など、詰めるべき点を残したままの見切り発車である、と。そして、最も言わんとするところは、同法案成立によって、将来、憲法9条が改正され、集団的自衛権の行使に制約をなくし、海外でも武力行使できるようになるのではないか、ということです。


◆読売 「新憲法へ具体論に入る時だ」
もはや「憲法改正の是非」ではなく、変えるとすれば、どこをどう変えるのかを論じるべき時だ、と前向きな論調でいくつかの具体論を述べています。投票年齢については、186国・地域のうち162国・地域が18歳以上であり、18歳以上とするのは自然なことである、と。人口減の下で、国の将来への若い世代の責任意識を高めることにもなる、とも言っています。また、最低投票率制度については、導入している国はごく少数であり、最低投票率制度の導入にこだわるべきではない、と主張しています。


◆毎日 「論憲をいっそう深めよう」
国民投票法は、与党と少なくとも野党第1党・民主党の合意が不可欠だとして、参院に審議が移った後も双方が歩み寄ることがなかったのは極めて残念だった、と議論の不十分さについて意見しています。賛成か反対かで世論を二分するのではなく、いかに国民のコンセンサスを作っていくかが重要である、と。今後、避けなければならないのは、具体的、現実的な議論もなしに「改憲か、護憲か」と単純に色分けするようなムードが広がることであり、大切なのは国民が判断するに足る冷静な論議の積み重ねである、と語っています。