今日は、ちょっとイイ話を1つ紹介したい、と思います。
皆さんは、“うかつあやまり”ってご存知でしょうか? これは、江戸の町人・商人たちが、よりよい人間関係を保つためにつくりだしたといわれる『江戸しぐさ』の1つです。 実は昨日、僕はそれを肌で感じることができました。
昨日、何ヶ月ぶりかに市電に乗った時のことです。目的駅に到着しかけて、乗降口に移ろうと席を立とうとした時、僕は、隣に座っていた人の足を踏んでしまいました。「ごめんなさい」と言って頭を下げる僕に対して、足を踏まれた側の人も、僕と一緒に頭を下げたのです。 「こちらこそ、うっかりしていまして…」と足を避けられなかったことに対して、申し訳なく思っているようなそぶりをされたのです。 もし、その時、踏まれた側が「何しよんじゃ!ボケッ!」と露骨に不機嫌そうなそぶりをしたら、踏んだ側の僕も、「お前が足を前に放り投げとるけんよ!」と逆ギレしてしまったかもしれません。それが、“うかつあやまり”のおかげで、その場が、なんとなくいい雰囲気になったのです。
ちなみに、僕が足を踏んだ相手は、茶髪で鼻にはピアスをしていて、ガムをクチャクチャ音を立てながら食べる厚化粧の女子高生。人を見かけで判断しがちな僕は、そんな彼女のギャップある行為に、驚きと同時に、嬉しさを感じました。
意識はせずとも今もこうして、日本人は皆、こういった感覚を持ち合わせているんですね。 まだまだ、日本も捨てたもんじゃ〜ないです。 『江戸しぐさ』に代表される日本の文化は、世界に誇れる、と僕は思います。 凄いぞ!江戸しぐさ! 凄いぞ!ニッポン!
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