昨夜、テレビを何気なく見ていたら、僕の大好きだったピンクレディーが出ていたので、自然とその番組にのめり込んで見入ってしまいました。 ちなみに、僕は、ミーちゃん派でしたが…何か…? んまっ、そんなことはどうでもいいのですが、その番組とは、“ヒットメーカー!阿久悠物語”(日本テレビ)です。
阿久悠さん(平成19年8月逝去)は、昭和を代表する作詞家でした。山口百恵、桜田淳子、森昌子の中三トリオをはじめ、ピンレディーや沢田研二などが歌う、多くのヒット曲を作詞した、まさに昭和のヒットメーカーです。また、阿久さんは、小説やエッセーの執筆など、幅広いジャンルで活躍されていました。そんなお人だけに、“言葉”をとても大事にされていたようです。
阿久悠著・『清らかな厭世(えんせい)』(新潮社)という本を、僕は以前に読んだのですが、阿久さんの素晴らしい感性が、ビシビシ伝わってきました。 阿久さんは、大の野球ファンで知られていましたが、実は、この本には、サッカーのことについても書かれている箇所があり、それが実に面白いのです。
阿久さんは、こう言います。 たとえば、南米の選手が初めてサッカーボールを手にした時、蹴るから入ったか、運ぶから入ったかと考えてください。 彼らは、ボールを蹴るのではなく、自分の脚にくっつけるようにして、凸凹の道、曲がりくねった道をどこまでも運ぶという遊びを選んだのではないか、と。そうなると、ボールは敵をやっつける武器ではなく、どこまでも一体である味方として存在します。
日本のように恵まれた環境で「蹴る」で始まったか、ブラジルのような恵まれない環境で「運ぶ」でスタートしたかでは、違うスポーツになる気がするのだ、と。 また、サッカー音痴(?)の阿久さんが、日本代表の決定力不足を思いながら、こんなことを言っています。
「カタキのように蹴るな! 相棒のように運べ! それがサッカーだよ!」
恐るべし! 阿久悠!
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