今朝、会社に向かう車の中でラジオを聴いていたら、『武田鉄矢・今朝の三枚おろし』という番組内で、1冊の本を紹介していました。 それは、坂本光司著・『日本でいちばん大切にしたい会社』(あさ出版)という本です。実は1年前に僕もこの本を読んだことがあり、当時、とても感銘を受けたのを今、あらためて思い出します。
「会社は誰のためのものなのか?」という問いに、みなさんは何て答えますか?
ライブドアや村上ファンドが絶頂期の頃、彼らは「会社・企業は株主のもの」と決めつけ、「モノを言う株主」、「時代の寵児」と、世間からもてはやされました。けれど、それは、完全な誤りであったことに気づいたとき、日本は、いや世界は100年に1度の大不況に陥ってしまいました。米国流ファンド資本主義、利益至上主義を実践してきたツケが今、世界中に襲い掛かっています。
著者は、会社は顧客のためのものでもないし、ましてや、株主のためのものでもない、と言っています。 では、誰のためのものなのでしょうか?
本の中で著者は、会社経営の目的を5つ挙げ、会社の健全なあり方を提示しています。
1.社員とその家族を幸せにする 2.外注先・下請け企業の社員を幸せにする 3.顧客を幸せにする 4.地域社会を幸せにし、活性化させる 5.自然に生まれる株主の幸せ
ご覧のとおり、株主は5番目、最後です。 まずは、社員がその会社で働くことに生きがいや喜びを感じて幸せになる。そうすれば、自然と、外注先・下請け企業、顧客などにも喜びを提供することになり、最終的には、株主を幸せにすることにつながるのです。要するに、株主の幸せは目的ではなく、結果なのだ、と著者は言っています。
100年に1度の大不況を乗り切るため、各企業が今、大幅な人員削減策を講じていますが、果たしてそれは正しい道なのでしょうか? 会社存続のため、やむをえない手段なのでしょうが、とても複雑な心境です。
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