日本発のブランドを育てた企業の経営者8名へのインタビュー本、『ぶれない経営』(ダイヤモンド社)を読んでみました。
以下が、その8名の経営者です。
吉田輝幸(吉田カバン)、高田明(ジャパネットたかた)、星野佳路(星野リゾート)、高島郁夫(フランフラン)、亀田信介(亀田メディカルセンター)、森正文(一休.com)、設楽洋(ビームス)、平松宏之(レストランひらまつ)。
この8人のトップは、それぞれ違った職種であり、また個性も多種多様です。しかし、どの経営者も自分なりの明確な経営戦略を持っていること、そして、短期的な利益の拡大よりも自分なりの理念を守ることを優先していること、これらの点が共通していました。まさに、本題の『ぶれない経営』です。
例えば吉田社長(吉田カバン)は、中国など海外では一切製造を行なっていません。これは、「絶対に職人さんを絶やさないでくれ」という創業者の遺志があったからだそうです。
設楽社長(ビームス)は、会社のコンセプトである自らのハッピーライフを実現すること、すなわち社員が自分らしく生きることが、顧客にビームスらしさを提供することにつながると考えています。
また、森社長(一休.com)は、企業は成長だけでなく存続・永続していくべきものであり、永続したビジネスに自然と宿るのが“ブランド”であるという考え方をされています。
この本には、その他にも数々の名言がつまっていますが、読み終えて感じるのは、すべての経営者に共通していたのが、会社を社会の公器として継続していく組織体と捉えていることであり、派手なことより地道に目の前のことに取り組んだ結果、今があるということです。はじめから大きな目標を持つというより、まずは与えられた環境を受け入れて、1つ1つ取り組んでいきながら自分なりの目標を達成していくことが重要である、と。
100年に1度と言われる大不況の今だからこそ、自分なりの原理原則を持った経営の軸、ぶれない経営が必要なのかもしれません。
ぶれまくりの人生を歩んでいる僕にとって、とても勉強になる1冊でした。
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