|
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加・不参加をめぐって、政府与野党の意見が真っ二つに分かれています。
この問題は、とても奥が深いので、僕自身も今、それなりに勉強中ですが、1つ不思議に思うことがあります。
それは、読売・朝日・毎日・産経・日経の全国新聞各社の社説が、一様に、参加すべきだと唱えていることです。
今朝の産経新聞の主張(社説)も、「国益優先し参加まとめよ」と言っています。
でも、本当にTPP参加は、日本の国益にかなったものなのでしょうか?
記事によると、「自律的な成長軌道に戻すには、TPP参加でアジア・太平洋地域の成長を取り込まなければならない」と書いてありますが、本当にそうなのでしょうか?
TPP交渉に参加している9カ国に日本を加えた10カ国の経済規模の比率は、アメリカが約70%、日本が約20%となっています。そして、オーストラリアが約4%、残り7カ国あわせて約4%であり、日本企業が輸出できるアジア市場などありません。日本が輸出できそうな市場は、アメリカだけなのです。
しかし、アメリカの関税は低く、例えば自動車の関税は2.5%に過ぎませんので、これを撤廃したとしてもあまり意味がありません。ましてや、現地生産をしている日本企業にとって、関税があっても意味がないのです。2.5%の関税撤廃の効果など、今現在の円高が進めば消えてしまいます。 ですから、日本がTPPに参加しても、アジアにもアメリカにも輸出を伸ばすことはできないのではないでしょうか。
また、記事には、TPP参加で実質国内総生産(GDP)が、2.7兆円、0.54%押し上げられる、と書かれています。
しかし、これは、ウソです。というか、巧妙なトリックです。
「GDP2.7兆円増加」とは、10年間での話であり、年間ではわずかに2,700億円に過ぎません。これは、GDPの0.1%未満であり、限りなく0%に近い数字なのです。こんな微々たる利益のために、大きなリスクを犯す必要がどこにあるのか、不思議でなりません。
日本は、その昔、小村寿太郎の活躍によって、不平等条約を改正し、関税自主権を回復しました。それを日本人自らが今、放棄しようとしています。
先人が明治維新以降、数十年努力して獲得した財産を簡単に手放していいものなのか、国民一人ひとりが真剣に考えなければならないと思います。
TPPは、この他にも数多くの問題が山積しています。今後、いろいろな意見を聞きながら、もっともっと勉強していこうと思っています。
今現在、僕の意見は、“TPP参加に断固反対!”です。
|