秋篠宮妃紀子さまは6日午前8時27分、帝王切開により第3子の男子を出産されました。身長は48.8 センチ、体重は2,558グラムで、母子ともに健康。皇室での男子誕生は秋篠宮さま以来41年ぶりで、皇位継承順位は、皇太子さま、秋篠宮さまに次ぐ第3位となります。
紀子さま、本当におめでとうございます。
皇位継承資格を持つ男子を出産されたことで、当面は女性・女系天皇を認める皇室典範改正論は沈静化しそうです。僕は以前からこの日記で、幾度となく「女系天皇制」に否定的な意見を述べてきました。
詳しくはその1、その2、その3、をご覧ください。
何故、男系でなければならないのか?という疑問に対して、渡辺昇一氏(上智大学名誉教授)が、『この国の「義」を思う』(致知出版社)の中で興味深い説明をされていますので紹介したい、と思います。
この論議は、遺伝学の話や、女性蔑視がどうのこうのといった次元の話ではありません。日本人の根底にある感性、日本人を日本人たらしめているものについて述べているのです。そして、日本民族たらしめてきた根源とは、水田稲作なのです。
水田稲作によって培われた感性は、稲の種子を男性、田を女性ととらえました。稲の種子をどの田にまいても、生えてくるのは稲です。稲の種子をまいて、ヒエやアワや麦が生えてくることは絶対にありません。田はどうかと言えば、この田にどんな種子をまいても生えてくるのは必ず稲などということは絶対にありません。稲の種子がまかれれば稲が生え、ヒエならヒエ、アワならアワ、麦なら麦が生えます。このことから、1つの系統を継承していくには種子がポイントで、それをまく田は、言ってみればどの田でもいいことを、私たちの祖先は水田稲作によって培われた感性でつかみ取ったのです。そしてそれが、皇統は男系による、という皇位継承の原則になったのです。この原則は、神武天皇から今上天皇まで万世一系で125代、1度も踏み外されることなく、脈々と続いています。
この神秘的な物語は日本人の宝だ、と僕は思っています。どんなことがあろうとも守っていかなければならない、と思うのです。例え世論の大半が女系天皇論へと向かったとしても、です。それが、先祖にたいする礼儀、責任ではないでしょうか。しかし、現在の皇室典範のままでは、皇族は減り続けることが明らかで、将来にわたる安定的な皇位継承のため、何らかの措置をとる必要があるのもまた事実です。だからと言って、直ちに「女性・女系天皇論」へと話が進んでいくのは拙速だ、と思うのです。その前にできることがきっとあるはず。側室制度は、現代では国民に受け入れられないから難しいのかもしれませんが、皇籍離脱した元皇族の皇籍復帰や、現在の女性皇族が養子を元皇族から取ることを検討してもいいのではないか、と思います。
もっともっと、長い時間をかけて日本国民全体で知恵を出し合っていくべきではないでしょうか。